「なに?
今日、昼、それだけ?」
社食で向かいに座った同期の松岡駿介に、ほたるは、そう言われた。
いや、給料前でお金がないからだ、と思いながら、ガッツリなチキン南蛮ののった松岡のトレーを見る。
「あ、そうだ、松岡。
私、名前変わったから。
職場では前の名前のまま行くつもりだけど。
書類の方はちゃんと出しとくね~」
そう松岡に言った。
彼の所属は人事だからだ。
「えっ? なんで名前変わったの?
ご両親が離婚したとか?」
「いや、この年になって、それで名前変えたりしないよ。
あの~、別にそんなに隠してないけど。
ちょっと隠してるから、ひっそり処理しといて」



