誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

「……いや、俺は小日向さんのファンだ。
 だからこそ、言わせてもらおう。

 確かに、あなたは人前に出ない方がいい!」

 明巳はそう言い切る。

「いや、ギャップ萌えってあるだろっ?」
と啓介は言うが、

「そういうのもありですが。
 あなたのあの繊細さと知的さと博識さが滲み出す文章で、これはないです」

 経営者の明巳は冷静にそう判断を下していた。

「そうなんですよ。
 私はネットで小日向さんのイメージ画とか見るたび、ゾッとするんです。

 白皙の美青年みたいな文豪の絵で――。

 現実にはチョビ髭生やして、オーレッとかって踊り出しそうな人なのに」

「踊り出さない、リズム感がない」
と啓介は自分で言っている。