誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

「だが、そうだな。
 今は妻も住んでいるから、警備会社に一応頼んでおくか。

 俺の好みかどうかはともかくとして、世間一般的には美しい妻が――

 住んで……

 いるはずなんだが。

 相変わらず、そんなに顔は合わなさいんだが……」
と言って、

「あやかしの一種みたいですね」
と若田に言われる。

「でも、奥さん素敵な方じゃないですか。

 社長は気に入らなかったら、幾らご家族から強引に押されても、結婚なんてしないと思いますよ」

 まだ結婚に夢を抱いているらしい若田が笑顔でそう言ってくるが。

 ……いや、俺があいつをあいつと認識したのは、結婚後の自宅のソファでなんで、
と明巳は思う。