誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

「やさしいとこですかね?」

「え」
と二人とも止まった。

「……なかなかのお嫁様で」
とじいやが言う。

「ぼっちゃまのやさしいところがわかるとは」

「俺のやさしさはそんなにわかりにくいか……?」
とぼっちゃまは、じいに訊いていた。

「……私が育てられた家から引き取られた話をしたとき、おばあちゃんの心配をすぐにしてくれたあなたはやさしいです。

 私を引き取ったとき、久しぶりに夫婦で顔を合わせたうちの親は、おばあさんに、いくら払おうかしか言いませんでした。

 ……でも今思えば、あれが彼らなりの親切と感謝だったんでしょうけどね」
とほたるは言う。

 何故かじいやさんが涙ぐんている。

「ほたる様っ。
 困ったことがあったら、このじいに言ってくださいっ」

「なあ、俺のやさしさはそんなにわかりにくいか……?」

 感激するじいにぼっちゃまは、まだそんな疑問を投げかけていた。