家に帰ったほたるは驚いていた。
玄関ホールが綺麗になっていたからだ。
そして、キッチンへつづく廊下も片付いている。
明かりのついているキッチンに向かうと、結婚式の日に見た気がするじいやさんがいた。
「おかえりなさいませ」
「ほたる、じいと二人でピカピカにしたぞっ」
と子どものような笑顔で明巳が言う。
……社内にいるときのあのクールさは何処へ、
と思いながら、
「すごいですねえ。
違う家かと思いました」
と褒めるほたるを何故かじいやが姑のような目で見ている。
実際の姑は一緒には住まない嫁には特に興味はなかったようなのだが。
「ほたる様は――」
じいやが口を開いた。
「明巳様の何処がいいのですか」
それはいいところがない人に言う言葉ではっ、と思いながらも、
そうですねえ、とほたるは考える。



