誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 だが、明巳は掃除機を止め、

「じいっ。
 見ろっ。

 シンクがピカピカだぞっ」
と初めてひとりで複雑なプラモデルを完成させたときと同じキラキラした笑顔でこちらを見る。

「さ、さようでございますか……」

「お前たちから見たら、全然かもしれないが、俺にしてはよくやったと思うんだが、どうだっ」

 もう千点満点でございます、ぼっちゃま。

 確かに磨き切れていませんが。

 じいに点数をつけさせたら、無限大でございます。

 これにケチをつけるような嫁なら、即刻離縁して問題ないですっ。

 それにしても、ぼっちゃまがこんなことまでなさるなんて。

 あの娘に、どれだけ籠絡されているのか。

 あんな生まれは良く、育ちも途中まで良く。

 その後の育ちもそこそこいいあの娘にっ。

「じゃあいいんじゃないですかね? じいやさん」
とメイドたちに言われそうなことを正秀は思っていた。