明巳はあれから何度かキッチンを覗いてみたが、一度もほたるには出会えなかった。
タイミングが合わなかったのだろう。
そう思っていたが、あれだけピカピカだったシンクがくすんで行っているのに気がついた。
そういえば、キッチンとその周辺だけは綺麗だったのに、今は何処か薄汚れて見える。
妻になにかあったのだろうか――?
電話をしてみようかと思ったが、いきなり電話をするのも失礼かな、
と思い直し、ショートメッセージを送ってみることにした。
『キッチンが汚れているが、どうした?』
いや、これだと責めてるみたいだな。
『なにかあったのか?
キッチンが汚れているが』
これもなにか攻撃的かな?
いや、大丈夫だよな、と思いながら、明巳は送信してみた。



