誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

「まあ、私はおばあちゃんになに不自由なく育てられたので。
 特に細かく追求したこともなかったですし」

「そうなのか。
 でも、そんなに大事にしてもらってたのなら、お前が早島の家に帰ったことで、おばあさん寂しくしてるんじゃないのか?」

「そうなんですよね。
 でもまあ、私ももう会社勤めで、一人暮らしをしてましたし。
 週末帰ったりもしてるので。

 あと、他の孫が近くにいるし。
 ちょっとどうしようもない息子がたまに一緒に住んでますしね」

「……どうしようもない息子?」

「私を拾ってきた、私の仮の父です。
 私は一応、あの夫婦の子ども、ということになっていたので」

「なんかいろいろ複雑なんだな」

「そうですねえ。
 でも、早島の家も普通の家庭から見ると、ちょっと変わっているので、何処の家でも大差ないなあと思っています」

「そうなのか。
 それにしても、週末はそっちに帰ってるの、知らなかったな」

「そうでしょうね。
 顔合わせることないですもんね」

 今まであまりにも妻に関心がなさすぎただろうか。

 いや、形だけの夫婦だから、これでいいのか?

 そう思いながら、明巳は訊いてみる。