誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 

「ほたるはほんとうの名なのか」

 専務室を出たところで、明巳は、ほたるにそう訊いた。

「はあ、下の名前は覚えていたので――。

 両親は、どうも誰かに連れ出されたようだが、犯人からなにも連絡がないので、警察に知らせても大丈夫だろうと判断し。

 少し遅れて、通報したそうなんですが。

 うちのおばあちゃん、私を拾ってきた息子に、ちょっと訳ありの子だって言われて、預かってたらしいので、警察には届けてなくて。

 それで、名前からはたどり着けなかったみたいなんですよね~」

「捨てられた場所で知らない誰かに拾われたんじゃなかったのか」

「そう聞いてたんですけど。
 どうも違うみたいですよ」
とほたるは言う。