誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 


「え? 君、明巳くんと結婚したの? 言ってよ。
 え? 君、名前変わってたの? 言ってよ」

 専務室にある応接室で、専務は、ほたるにそう言っている。

 ……それにしても、不思議な配置で座ってしまった。

 自分と専務、その正面にほたるだ。

 夫婦なのだから、自分とほたるが座るべきだったのだが。

 小さいときから自分を知っている専務と比べ、妻の方に遠慮があるのと。

 自分も専務のように彼女を問いただしたい気持ちがあったからだ。

 ほたるは若田に、自分の隣に座るかと訊いていたが。

「いえっ、立ってますっ」
と若田は赤くなって言う。

 ほたるが専務に言った。

「この数ヶ月で、有働から早島になって、京塚になりました」

「また一気に名前変わったねえ」
と専務は妙な感心をしている。