誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

「困ったことがあったら言ってくれと言っていたぞ」

「今、特にないですね」

 そうか。
 それなら、この話はここで終わりだな、とは思ったのだが、ちょっと気になったので訊いてみた。

「お前が俺に心を開いたら、お前の事情を話すだろうと、お前の父親に言われたんだが」

 いや、そこ、胸に秘めとくところで、本人に訊くところじゃないですよっ、という顔を若田がする。

「そう言われて話さなかったら、あなたに心を開いてないみたいになってしまいますね。

 じゃあ、今日、お話ししましょうか?

 何処かで待ち合わせます?」

「家でいいんじゃないか?」

 そういや、そうですね。
 帰ったらご連絡ください、と言って、ほたるは電話を切った。

「あのー、今の奥様なんですよね?
 めちゃめちゃ他人行儀じゃないですか?」

「結婚してから、ほとんど顔合わせてないから」
と言いながら、何回会ったかな? と明巳は考える。

 片手の指で足りるくらいだろうか。