誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 親がいい加減結婚しないと体裁が悪いと言い、勝手に婚約者を決めてきた。

 なに時代だの話だと放っておいたのだが。

 知らない間に、式の日取りまで決まっていたようだった。

 断りの電話を入れなければ。

 いや、まためんどくさい話が長くなるな、と思いながら、

 ずっと海外で寝る間もなく働いていて、ある日、父親からの電話で起こされた。

「週末、何時に帰ってくる?」

「週末、なにがあるんだ?」

「お前の結婚式だろう」

 結納もしてない、衣装合わせもしてない。

 それ以前に、花嫁の顔も名前も知らないのに何故っ、と思ったが、先方も、とりあえず、形だけでも娘を結婚させたいらしく。

 親たちだけで、勝手にどんどん話を進めてしまっていたようだ。

 明巳は顔を上げ、見知らぬ花嫁を見て言った。

「お前を追い払うにはどうしたらいい?」