誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 


「こっちにも入り口があったんですね」

 明巳とともに自宅に戻ったほたるは、自分が使っているのとは違う扉を見る。

「ああ、すまん。
 お前は正面玄関から入ってるんだよな。

 俺の部屋はこっちの方が近いから」

 送ろうか、と言われたが、

「いえいえ。
 広いとはいえ、家の中ですし、大丈夫ですよ」
とほたるは断る。

 だが、では、と言って曲がり角を曲がった直後に、ぎゃーっと悲鳴を上げてしまった。

 廊下の天井から、手がぶら下がっていたからだ。

 大きな手だ。

 白くて綺麗な女性の手……

 のオブジェ。

「ここは――

 お化け屋敷の廃墟?」