誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

「通販で買った物を忘れてたり。
 履歴見てて、買ってたことを思い出したらしく、二人で家中探すはめになったんですよね」

「あんた、ありますかね? とか言っといて、いろいろと言うじゃないの」

 そう言ったあとで、美春は、

「……でもまあ、やっぱり諦めるわ」
とアイスの店のショーケースの前に並んでいる子どもたちを見ながら言う。

「なんでですか?」

 やはり、人間の知り合いが多い人の方がいいのだろうかと思ったが、そうではなかった。

「なんだかんだでラブラブじゃない。
 莫迦莫迦しい。

 人の幸せそうな結婚生活を聞いて、割り込もうとするほど暇じゃないのよ、私は」

 むなしくなるだけだし、と呟いたあとで、

「世の中には、もっといいイケメンがたくさんいるはずでしょ」
と言う。

 そうですよ、と言いながら、ちょっと思っていた。

 確かに、もっといいイケメンはたくさんいるのかもしれないけど。

 私に合っている旦那さまは明巳さんくらいなのでは―― と。

「ところで、ほうじ茶ちょっとよこしなさいよ」

「じゃあ、そのトロピカルなんとかの方ちょっとください」
と二人、小さなスプーンでアイスを食べ合う。