誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 


「……なにやってるの、あなたたち」

 ご飯よ~と呼びに来た留子が呆れる。

 小学校のとき、ともだちが遊びに来たときみたいに、二人とも、しゃがみ込んで漫画を読んでいたからだ。

 留子は、ふふっと笑い、
「お似合いね」
と言って去っていった。

 いやっ、こんなことでお似合いね、とか言われてもっ、と慌ててほたるたちは、留子のあとを追う。

 ところが、さっきと違う廊下を通ったせいで、明巳が、ん? と足を止めた。

 障子の開け放たれたままの和室には、幾つかの書棚と窓際の文机。

 その文机の上には、書きかけの原稿用紙とモンブランの万年筆があった。

 重そうな昔ながらの灰皿と、アンティークな卓上ライトも。

「これはっ。
 もしや、小日向先生の書斎ではっ?」

 ……私の子ども部屋見たときより、感激してますね。