「あ、十年間使ってるティッシュ」
ほたるは学習机の横の本棚の隙間に置いてある色褪せたティッシュの箱を見た。
「……十年間使ってるティッシュ?」
と明巳に訊き返されてしまう。
ハードカバーの本の間に挟まれているティッシュを見ながらほたるは言った。
「最初、なんでここに置いたのか思い出せないんですけど。
とりづらくて、十年間、ほとんど使っていないので。
ずっとここにあるんです。
……今もまだあったんですね」
「そのしんみりポイントもよくわからんが。
でも――
この部屋でお前が育ったんだと思うと、感慨深い」
そんなことを明巳は言ってくれる。
だが、気づくと、棚にあった昔の漫画を読んでいる。
……私ひとりでしんみりしてしまったではないですか。
でも、この明巳さんのマイペースさ、嫌いじゃないなと思っていた。
ちょっと嫌なことがあっても、その独自のペースで流していってくれるからだ。
ひとところにとどまらないというか。
「お、肉じゃがっぽい匂いがしてきたな」
と明巳が漫画から顔を上げた。
ほたるは学習机の横の本棚の隙間に置いてある色褪せたティッシュの箱を見た。
「……十年間使ってるティッシュ?」
と明巳に訊き返されてしまう。
ハードカバーの本の間に挟まれているティッシュを見ながらほたるは言った。
「最初、なんでここに置いたのか思い出せないんですけど。
とりづらくて、十年間、ほとんど使っていないので。
ずっとここにあるんです。
……今もまだあったんですね」
「そのしんみりポイントもよくわからんが。
でも――
この部屋でお前が育ったんだと思うと、感慨深い」
そんなことを明巳は言ってくれる。
だが、気づくと、棚にあった昔の漫画を読んでいる。
……私ひとりでしんみりしてしまったではないですか。
でも、この明巳さんのマイペースさ、嫌いじゃないなと思っていた。
ちょっと嫌なことがあっても、その独自のペースで流していってくれるからだ。
ひとところにとどまらないというか。
「お、肉じゃがっぽい匂いがしてきたな」
と明巳が漫画から顔を上げた。



