誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~




 新品の囲炉裏だ。
 わざわざ作ったのか……。

 でもまあ、囲炉裏にかかった鉄瓶でお湯が沸くのを見ていると、なんだか和むな。

「これは?」
と明巳は囲炉裏の上にある格子になっている棚を見上げた。

「それは火棚(ひだな)よ」
と留子が教えてくれる。

「もともとはこういう格子状のじゃなくて、板だったみたいで。

 火の粉が天井に燃え移らないように作られたものらしいわ。
 あと、上に上がる熱気を拡散させるためにね。

 この上で、いろんなもの乾燥させるといいみたい。

 いぶりがっこを作ったり。

 ほら、だから、いぶりがっこを買って置いてみたわの」

 ほたるが格子から見える、ザルに入ったいぶりがっこを見ながら、

「いや……大根を置いて、いぶりがっこにするのでは?」
 なんで、できたの買ってくるの? と言っていたが。

 いや、お前もやりそうだぞ、と明巳は思っていた。