誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~




 知らない家なのに、懐かしい。

 庭先に降りた明巳はそう思いながら、縁側を眺めていた。

 こんな家に住んだことはないはずなのに。

 昔ながらの日本家屋だからか。
 それとも、ほたるが育った家だからなのか――。

 ほたるの祖母、留子(とめこ)は啓介に似て美しい人だった。

 にこにこと愛想がいいが、目の奥に宿る光が鋭い。

 そういうところが、ほたると似ている。

 いや、何故か、ほたると実里と似ている。

 ついでに言うなら、ほたると実里と、ほたるの産みの母と似ている。

 なにかが強い女性たちと似ているということだろうか?

 微笑む留子の後ろ。
 奥の部屋の襖が開いているのに明巳は気づいた。

 ……ん?
 今、襖の向こうに見えたのは?

 そこにあったのは、ずらっと並んだパソコンのようだった。

 日差しが差し込まない薄暗い部屋の中、パソコンの画面だけがたくさん光っている。

 ちょっと怖い。