「ゾウしかいませんでしたねー」
「なにを期待してたんだ、お前は……」
お前の妄想通りだったら、パニック物になるぞ、と言われながら、おばあちゃんの家に向かう。
山を越えるとまた街があり、
「すごいな。
人間って、何処までも人、住んでるんだなっ」
と都会っ子の明巳は感動していた。
そこから更に走って、海岸近くの街に行く。
おばあちゃんの家はその高台にあった。
まさか、こんな日が来るなんてな……、
とほたるは思う。
なんの関係もないのに育ててもらった家に、なんの関係もないのに一緒に暮らしている人に連れてきてもらうとは。
……いや、なんの関係もなくはないか、とほたるはチラ、と明巳を見た。
適当に結婚させられて、長い間顔も見たことなかったけど。
今では楽しく暮らしている。
まあ、夫婦という感じではないのだが。
愉快なルームメイトかな、と思いながら、ほたるは車を降りる。



