誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~



 忙しすぎるので結婚してしまった――。

「俺の隣にいるお前は誰だ」
「嫁です」

 見てくれは悪くない。

 なんかどっかのいい家のご令嬢だったはずだが、
と自宅のソファで隣に座る女を見ながら、京塚明巳(きょうづか はるみ)はゆっくりと思い出していた。

「……お前は、なんか、何処かが光っているイメージなんだが」

 彼女はぺこりと頭を下げて言う。

早島(はやしま)ほたるです」

 しばらく額に手をやり、忙しすぎたこの三ヶ月のことを思い出していた。