誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 

 実里は仕事があるからと急いで帰ってしまい、母の方が残った。

 別れ際、店の前で明巳が母に言う。

「必ず幸せにします――

 とは言い切れませんが」

 言い切れないんだ……。

「気がついたら、家のソファに座っていた嫁なので」

 その前からいましたよ。
 式場から。

 どんだけ存在感薄いんですか、私は。

 そう思いながらも。

 明巳が母を安心させようとして、精一杯語ってくれていることは、ほたるにもちゃんと伝わってきていたので、深く感謝する。

 母も、一生懸命しゃべっている部下を見るように明巳を見て。

 最後は、うん、と頷いた。

 よく言った、というように。

 ……いや、この人、一応、社長なんですけどね。