誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

「こうなったらもう、嫌がらせをして、とことん明巳さんに嫌われてやるっ」

「……それはやめた方がいいですよ」

 ほたるはつい、口を出して、美春に、ギッと睨まれる。

「あんたになにがわかるって言うのよっ」

「わからないですけど。
 私だったら、なにがどうなっても、明巳さんに嫌われたら嫌だなあ、と思うから」

 いつか、明巳さんに真実、愛する人ができて。

 出て行けと言われたら、すぐに出て行く心づもりはあるけれど。

 せめて、嫌われずに出ていきたい。

 そうほたるは思っていた。

 街角で偶然、出会ったときに、
「ほたる」
と手を上げて笑いかけてくれるような、

 そんな縁だけは残しておきたいと思うから――。

 実里がキレながら落ち込む美春に向かって言った。

「元気出しなさいよ。
 そんなに若くて綺麗なんだから、幾らでも他にいるでしょ?」