誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 


 最近、キッチンを磨くのにはまっている。

 あまり使ってないようなのにくすんでいたシンクを磨いたら、ピカピカになって、ダウンライトが反射して眩しすぎるくらいになった。

 そのあと、テーブルの上のものをとりあえず、退けてみたら、すごくキッチンが広くさっぱりして見えて。

 次に床のものを奥のパントリーに全部突っ込んだら、さらに片付いて見えた。

 まあ、広い家だからできることだよな、とほたるは思う。

 自分が今まで住んでいたようなところでは、とりあえず、押し込めるような場所はなかったしな。

 そう思ったとき、キッチンの入り口に誰かが立っているのに気がついた。

 ぎゃーっ、と悲鳴を上げる。

「……ほたるか」
とその人物は言った。

 仕事帰りらしい明巳だった。

 この距離で見たのは、あれ以来、初めてだな、と思う。

「この間、宅配便をそこに置いたのを思い出して。
 受け取ったか」

 それはいつの話なんですかね……。

 まあ、思い出しただけ、ビックリなんですが。