誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 この女、何処かで見たような顔だな、と思う。

 ――誰かに似ている?

 女は、細身でシンプルなスーツを着た絶世の美女だった。

 そして、気づく。

 美人だが、ムカつくと思ったら。
 あの女、ほたるに似てるんだわ!

「今、鼻で笑われたわ!」
 美春は受付に行った彼女の細い背を指差した。

「それは、笑われるようなことを言うから悪いんじゃないですかね?」

「……あんた、結構言うわね」
と話しているのが聞こえたらしく、彼女はこちらを振り向かないまま、笑っていた。