誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~


 
 疲れて帰って寝ようとしたら、宅配が来た。

 そんなもの頼んでないが、と思いながら、京塚明巳(きょうづか はるみ)は玄関に出る。

 荷物についている送り状の名前を見た。

 京塚ほたる。

 ……誰だ、そいつは、と思ったが。

 ほたるという名前に、丸顔の可愛らしい顔が浮かんだ。

 つやつやした頬が家の照明に光って見えて、

 ……ほたる、なるほど、と思ったことを思い出す。

 そういえば、俺には嫁がいたな。

 三ヶ月くらい見ていないが。

 まあ、口座に金は振り込んでるから、何処かで生きてはいるだろう。

 宅配の荷物は玄関に置いておいたのでいいのか……。

 いや、こんな雑然とした場所に置いたらわからないか。

 いろんな人から送られてきた物で腐りそうにないものは、玄関に積まれたままだ。

 だが、持って行こうにも、妻が何処に住んでいるのかわからない。