二人分のステーキ肉を焼く明巳を眺めながら、ほたるは美春に言われたことを思い出していた。 「えっ? まだ明巳さんに敬語なの? 夫婦なのに、よそよそしくない? 距離ありすぎでしょ」 と美春に駄目出しされた。 あのあと、駿介も一緒に三人でロビーで缶コーヒーを飲んだのだ。 「俺はいいと思うけど。 なんかピュアで可愛い感じがするじゃん」 駿介は逆にそう言っていた。 胡椒の香ばしい匂いがキッチンに漂う。 肉の焼ける音を聞きながら、ほたるは思っていた。 ――明巳さんは、どっち派ですかっ!?