誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~

 なんだかんだで家にあるもの高そうだしな。

 ゴミっぽいからと適当に捨てたら、大変なことになるかもしれない。

 片付けるの、いろんな意味で大変そうだな、と思いながら、玄関ホールからつづく長い廊下を歩く。

 とりあえず、なんか食べるか。

 仕事帰りにスーパーで買って帰った美味しそうな卵焼きの入ったお弁当。

 キッチンには電子レンジがあったはずだから、今日こそ、あれで温めよう。

 家の住人だから、それくらい使わせてもらってもいいはずだ、とほたるは思う。

 今まで、なにをどうしていいのかわからないので。

 自分の部屋に決めた、全然使われてない南向きの部屋に電気ポットを持ち込んで、それだけで暮らしていたのだ。

 お金なんてないしな。

 ――そう。
 こんな結婚、美談になんてなりようがない。

 あの人たちは世間知らずだから、急な引越しのお金が一般の人間には大変な負担になるなんてこともわかっていない。

 そこで甘えられるほど近しい親でもないしな……。