この偽装恋愛、もしやとてつもなく甘い…? 傍若無人な御曹司がこんなに愛してくるなんて聞いてないですっ!

 小学生だって生きていれば辛いことに遭遇してしまう。

 友達のこと、学校のこと、家族のこと。

 いろんなことに悩んで傷いて、小さなハートをギシギシ痛めながら誰にも助けてと言えずに、一人で悲しみ沼に溺れかけている子がいたりする。



 彼らの辛さを取り除いてあげたいよ。

 世界中の子供全員を救いたいなんて、神様みたいなことを成し遂げたいわけじゃない。

 朝の旗振りで関わる小学生だけでも、心を救ってあげられたらいいのになって。



 でも全然ダメなんだ。

 自分が無力すぎて本当に嫌になる。



「救えなくてもいいんだよ」



 穏やかな声につられ、国見君を見上げる。



「自分の悲しみをわかろうとしてくれる人がいてくれるだけで、心は軽くなるから」