「そのロゴ、どこの会社のものかわかるかい?」

「このロゴ、花か?何の花だ?」

アントーニョが首を傾げる。すると、マーガレットがリズの手を引いてレオンハルトの元へ来た。

「あたしたちにも見せて!何の花か当ててみせるわ!」

マーガレットが自身ありげに言う。トーニョが「お前らならわかるか」と手紙を差し出した。マーガレットが太陽の光に透かし、リズと共に二人で紙を覗き込む。

「これは……カーネーションですね」

「カーネーションって確か、トーニョの出身の国花じゃなかったっけ?」

リズとマーガレットの言葉にアントーニョは「あっ!」と言う。マーガレットの言う通り、アントーニョの出身であるビオロンセロはカーネーションが国花として指定されている。オルハンが仕事の手を止めてフッと笑った。

「トーニョは自分の国の花すらわからないんだね」

その一言にアントーニョの額に青筋が浮かぶ。

「だったらテメェの国の国花は何なんだよ!!花の種類なんてわかるわけねぇだろ!!」

「花の種類もわからないなんて、お子様だねぇ。僕の出身国は睡蓮だよ。ちなみに、レオンの出身で僕らが住むトロンペーテはヤグルマギク。リズの出身メレ国はバラ、マーガレットの出身スオーノ国はサトウカエデ、カナタの出身オト国は桜、この前足を運んだレークヴィエムはひまわりさ」