真央「さて、ここが事件のあったアリエル邸か……」

家が連なる場所の真ん中にある、巨大な一軒家のアリエル邸を眺めて呟く。

アイス「真央殿、お待ちしておりましたぞ」

エンジェル「お待ちしておりましたぞ」

真央「二人とも。今回は殺人事件の調査で助言をもらいたいと聞いたんだけど……」

エンジェル「はい!その通りでございます!アイス警部は現場に到着し事件のあらましを一通り聞き終えた後、7秒で自力での解決は困難だと判断。すぐさま名探偵を呼ぶよう指示されました。まさに電光石火、疾風迅雷の現場判断。その決断力にはいつも感嘆するばかりであります!」

アイス「うむ、現場では常にスピードが求められるからな!」

真央「ま、何はともあれ安心してね。この名探偵真央が来たからには、どんな事件も解いてあげるわ」

?「誰が来たかと思えば、ポンコツ探偵の真央君ではないか」

真央「そ、その声はまさか……!」

大和「殺人事件で重要なのは『どうやって殺したか』!論理と計算でトリック解明!論理の名探偵、大和だぜ!!」

真央「げっ!?大和!これはどういうつもり!?この事件の担当は私だったはずじゃ!?」

アイス「まあ、1人より2人呼んだ方が効率的かなって思って……」

真央「ぐっ……!殺人事件で大事なのは『なぜ殺したか』!動機を詰めれば事件は解決!この事件を解決するのは、感情名探偵、真央だよ!」

大和「動機が重要とか笑える!そうやって人の感情に流されているようじゃ、まだまだ甘いぜ」

真央「別に情に流されてるわけじゃないもん!動機から考えていけば、めんどくせートリックとか考えずに楽に事件解決出来るかなって期待してるだけよ!」

大和(想像以上に甘い考えだった……)

大和「まあいい。そこまで言うならどちらが先に解決できるか、勝負だ」

真央「臨むところよ!事件現場まで案内して」

アイス「分かりました。殺人現場はこちらですぞ」

色々と不可解なものが入らないように、色々と準備してからアリエルの家に入ってダイニングへ向かう。

アイス「こちらが殺人現場ですぞ」

真央「ここが殺人現場……」

テーブルの上には、食べかけのクッキーや唐揚げが乗っている皿とコーヒーカップやコップが置いてあった。コーヒーの粉が入っているビンのケースやコーヒードリッパーもある。壁には「誕生日おめでとう」の白い文字が赤褐色の細い布に書かれているものが飾られていた。

エンジェル「被害者のフラーシアは、そこのテーブルの壁際中央の席で殺害されておりました」

アイス「でそちらの4人が今回の容疑者になりますぞ」

真央「ふむふむ、あの4人が……」