その日の夜。
閉店作業を終えると早速二人でピアノの前に座り、相談を始める。
「私がクラシックを弾いて、光くんがジャズを弾く。それで絡むってどういうことだろうね?」
小夜の言葉に、光は腕を組んで宙に目をやった。
「セッションっぽく、その場のノリで会話するみたいに演奏するのは?」
「それってジャズでしょ? クラシックでそういうのはやったことないよ」
「じゃあ全部即興はやめて、ある程度流れは決めておこうか。小夜、ちょっとこっち来て」
そう言うと光は、ステージのグランドピアノから離れて楽器の展示コーナーに向かう。
互い違いに並べられたグランドピアノ二台の屋根を開けた。
「小夜、そっちな。俺がこっちに座る」
「うん」
言われた通りにピアノの前に座り、互いに顔を見合わせる。
「取り敢えずやってみよう。そうだな……。小夜、オーソドックスな『きらきら星』弾いてみて」
「え? うん、わかった」
小夜は鍵盤に手を置き、子どもが弾くような簡単な音で『きらきら星』を演奏した。
するとひと呼吸置いてから、光がジャズのリズムで同じメロディを奏でる。
「わあ、オシャレだね。じゃあ、私も」
今度は小夜が華やかな変奏曲にして演奏した。
次は光が変拍子に変えて演奏する。
次々と表情を変える『きらきら星』に、小夜も光も楽しくて止まらなくなった。
「いいな、これ。いつまででもやってられる」
「うん、楽しい!」
するとバックオフィスで事務作業をしていた店長がやって来た。
「いいじゃない! それ、ミニコンサートでやってみて。子どもも弾けそうな簡単な『きらきら星』が、クラシックで華やかになって、ジャズではかっこよくなっていく。すごく興味深いわ。ジャンルを超えて、色んな人に喜ばれそうね」
「はい!」
満面の笑みで返事をする小夜を、光は優しい表情で見つめる。
「光くん。あんまり打ち合わせはしないで、本番のノリに任せて弾いてもいい?」
「もちろん。俺もそっちの方がやりやすい。段取り決めても覚えられないから」
「あはは! なるほどね。じゃあ本番、私たちにとってもお楽しみだね」
「ああ」
「よーし、がんばろう!」
わくわくと明るい気持ちになれたことが、小夜は嬉しかった。
閉店作業を終えると早速二人でピアノの前に座り、相談を始める。
「私がクラシックを弾いて、光くんがジャズを弾く。それで絡むってどういうことだろうね?」
小夜の言葉に、光は腕を組んで宙に目をやった。
「セッションっぽく、その場のノリで会話するみたいに演奏するのは?」
「それってジャズでしょ? クラシックでそういうのはやったことないよ」
「じゃあ全部即興はやめて、ある程度流れは決めておこうか。小夜、ちょっとこっち来て」
そう言うと光は、ステージのグランドピアノから離れて楽器の展示コーナーに向かう。
互い違いに並べられたグランドピアノ二台の屋根を開けた。
「小夜、そっちな。俺がこっちに座る」
「うん」
言われた通りにピアノの前に座り、互いに顔を見合わせる。
「取り敢えずやってみよう。そうだな……。小夜、オーソドックスな『きらきら星』弾いてみて」
「え? うん、わかった」
小夜は鍵盤に手を置き、子どもが弾くような簡単な音で『きらきら星』を演奏した。
するとひと呼吸置いてから、光がジャズのリズムで同じメロディを奏でる。
「わあ、オシャレだね。じゃあ、私も」
今度は小夜が華やかな変奏曲にして演奏した。
次は光が変拍子に変えて演奏する。
次々と表情を変える『きらきら星』に、小夜も光も楽しくて止まらなくなった。
「いいな、これ。いつまででもやってられる」
「うん、楽しい!」
するとバックオフィスで事務作業をしていた店長がやって来た。
「いいじゃない! それ、ミニコンサートでやってみて。子どもも弾けそうな簡単な『きらきら星』が、クラシックで華やかになって、ジャズではかっこよくなっていく。すごく興味深いわ。ジャンルを超えて、色んな人に喜ばれそうね」
「はい!」
満面の笑みで返事をする小夜を、光は優しい表情で見つめる。
「光くん。あんまり打ち合わせはしないで、本番のノリに任せて弾いてもいい?」
「もちろん。俺もそっちの方がやりやすい。段取り決めても覚えられないから」
「あはは! なるほどね。じゃあ本番、私たちにとってもお楽しみだね」
「ああ」
「よーし、がんばろう!」
わくわくと明るい気持ちになれたことが、小夜は嬉しかった。



