気がかりはありつつも、小夜は仕事では淡々と光に接する。
そしていよいよ、小夜の誕生日がやって来た。
「小夜、二十四歳おめでとう!」
出勤すると、店長が真っ先にそう声をかけてくれる。
「はい、プレゼント。小夜、入荷した時にこれいいなって言ってたでしょ?」
手渡されたのは、店頭でも販売しているテーブルランプ。
グランドピアノの陶器の上のシェードは、明かりをつけると細かい音符が浮かび上がるデザインだった。
「わあ、ありがとうございます! 店長」
「喜んでもらえてよかったわ。社員割引も効いたし、売り上げにも貢献できて一石二鳥よ。小夜、いつもありがとう。これからもよろしくね」
「こちらこそ。よろしくお願いします」
他の同僚も、お菓子やプチギフトを渡してお祝いしてくれる。
小夜は皆に笑顔でお礼を言った。
「小夜、おめでとう」
最後に光が小夜にCDをプレゼントする。
「俺のお気に入りのピアニストが演奏してるジャズのCDなんだ」
「そうなのね。ありがとう、光くん。早速うちで聴かせてもらうね」
「ああ」
久しぶりに普通の会話を交わした。
両手いっぱいにプレゼントを抱えて笑みを浮かべる小夜を、光はじっと見つめる。
「……夜はあいつと会うのか?」
「え? あ、うん」
「そうか」
それだけ言うと、光はスッと小夜の横をすり抜けてカウンターに入っていった。
そしていよいよ、小夜の誕生日がやって来た。
「小夜、二十四歳おめでとう!」
出勤すると、店長が真っ先にそう声をかけてくれる。
「はい、プレゼント。小夜、入荷した時にこれいいなって言ってたでしょ?」
手渡されたのは、店頭でも販売しているテーブルランプ。
グランドピアノの陶器の上のシェードは、明かりをつけると細かい音符が浮かび上がるデザインだった。
「わあ、ありがとうございます! 店長」
「喜んでもらえてよかったわ。社員割引も効いたし、売り上げにも貢献できて一石二鳥よ。小夜、いつもありがとう。これからもよろしくね」
「こちらこそ。よろしくお願いします」
他の同僚も、お菓子やプチギフトを渡してお祝いしてくれる。
小夜は皆に笑顔でお礼を言った。
「小夜、おめでとう」
最後に光が小夜にCDをプレゼントする。
「俺のお気に入りのピアニストが演奏してるジャズのCDなんだ」
「そうなのね。ありがとう、光くん。早速うちで聴かせてもらうね」
「ああ」
久しぶりに普通の会話を交わした。
両手いっぱいにプレゼントを抱えて笑みを浮かべる小夜を、光はじっと見つめる。
「……夜はあいつと会うのか?」
「え? あ、うん」
「そうか」
それだけ言うと、光はスッと小夜の横をすり抜けてカウンターに入っていった。



