眠り姫が溺愛されちゃいました!?

今俺には結姫がいるからな。

おまえがいるから……俺は笑ったし、口数も増えたと思っている。

実際、湊や椿から『変わった』と言われている。

恋……そんなもの縁がないと思っていたが……。



「あ、着いたよ~!」

「お、大きいっ……」



そうか……?

目の前にあるアジトを見て、結姫が驚いた。

このアジトの大きさは一軒家十個分ほど。俺の家よりも遥かに小さい。

これくらいが目立たないと思っていたが……結姫にとっては違ったのか。



「結姫、下ろすぞ」

「は、はいっ……」



俺は腕の中にいた結姫を地面に下ろした。