不思議そうに見つめてくる椿先輩に、私はうつむいて黙ってしまった。

できる限り、私の過去は話したくない。

同情されることが目に見える。



「……まあ、話したくなかったらいいよ」



ずっと黙っていたら、椿先輩も諦めてくれたみたい。

あ、この事は柚姉には黙ってもらわなくちゃっ……。

偶然見られちゃったってことを伝えたとしても、柚姉はきっと私をとても心配するから。



「あ、あのっ……！」

「ん？」

「能力がバレてしまったこと、柚姉には言わないでもらえませんかっ……」



断られる可能性だってあるわけだし、期待はしていない。

でも、一応お願いしておかないと……！