眠り姫が溺愛されちゃいました!?

そう思って、手に力を込めて、祈った。

お願いします、この人を助けてください……っ。

三十秒くらい、ずっと祈っていた。

目を開けると、そこには怪我が治った男子生徒がいて。

よかった……成功したんだ……。

私は心の中で強くそう思った。



「__結姫、ちゃん……?」



どうして、ここにいるはずの無い湊先輩の声が聞こえるんだろう……。

だって、私と先輩たちは関係の無いただの他人になったはずなのに……。

声が聞こえた方向を向くと、思った通り、湊先輩がいた。もちろん、星先輩と椿先輩も。

もしかして、見られたっ……?



「君は……治癒能力を持っているの……?」



どうしようっ……!