「な、名前……?私の……ですか?」

「君以外にいないよ!」



ふっ……。

いつも周りを振り回している湊が女に振り回されている……。

俺はこいつらのやり取りを見て、笑いがこらえられなかった。



「私、月城結姫って言います。今日青蘭学園に編入してきました」

「編入生なんだ~!僕は二年の月森湊!よろしくね~!何か困ったことがあれば僕たちに聞けばいいよ~」

「せ、先輩っ……!ありがとうございます!」



湊の接し方が嬉しかったようで、涙目で言った女。

……こいつ、幸福の基準が低すぎだろ……。



「俺は星川椿。二年だよ。結姫ちゃん、よろしくね」

「よ、よろしくお願いします……!」