夕焼けの中で歩く二人。
「ねえ、奏都くん」
「ん?」
「……あのときのミッション、本気で言ったの?」
りんが恥ずかしそうに問いかけると、奏都はにやりと笑って、あっさり言う。
「もちろん。俺が冗談で“好き”なんて言うと思う?」
「っ……そういうことサラッと言わないでよ!」
耳まで真っ赤になったりんが抗議するけれど、奏都は気にも留めず歩幅を合わせてくる。
「じゃあ次のミッションは何にする?」
「えっ、なにそれ勝手に続編!?」
「いいじゃん。今度は俺たちで決めよう」
そう言って伸ばされた手を、りんは少し迷ってから、ぎゅっと握り返した。
校舎の窓に夕日がきらめく。
“恋のミッション”は終わったはずなのに、二人の日々はこれから始まっていく。
fin.


