放課後の廊下は、少しずつ夕焼けに染まっていく。
窓ガラスに映る景色が、少しずつ色を変えていくように、わたしの心もどこか落ち着かなかった。
……“偶然って、時には運命を動かす力がある”。
先生のあの言葉が、頭から離れない。
わたしは図書室の隅で、ひっそりとコピーを取った一部の資料を、カバンの奥にしまった。
表紙には、あの名前。
──**「恋愛研究委員会 設立概要」**。
ページの端には、小さく「提案者:柊 湊」と書かれていた。
先生は、嘘をついていない……はず。だけど。
何かが、変だ。
何かが、おかしい。
──この違和感の正体はなんだろう。
家に帰る道すがら、わたしはスマホを取り出して検索してみる。
「恋愛研究委員会」「恋愛ゲーム」「学内アプリ」──
でも、それらしい情報は、何も出てこなかった。
まるで、その言葉だけが“封じ込められて”いるみたいに。
……もしかして、夢でも見てるのかな。
ふと、そんなことさえ思った。


