「でも、そうやって“たまたま”資料に出会うのも、面白い偶然だね」
「……偶然、ですか」
「うん。偶然って、時には運命を動かす力があると思うよ」
その言葉に、妙な重みを感じた。
まるで、私がここに来るのを知っていたような口ぶり。
まるで、私がそのファイルを見つけることも──“想定内”だったような。
「……じゃあ、頑張ってね。文化祭の準備」
先生はそう言って、何事もなかったかのように図書室を去っていった。
私はその場に立ち尽くしたまま、心のざわめきを押さえることができなかった。
──あの先生、何かを隠してる。
知らなかったはずの“委員会の記録”。
消されるはずだった“恋愛ゲーム”という言葉。
そして、“偶然”というには、できすぎた出会い。
本当は……全部、偶然なんかじゃないのかもしれない。


