「…………え?」
一瞬、頭が真っ白になった。
心臓が、ドクン、と鳴る。
「うそ、待って、やだ、ちょっと待って!! いま本気で好きって思ったばっかりで──!!」
バッ、とスマホを振るが、なにかの冗談であってほしい画面は、無慈悲にカウントダウンを始めていた。
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「やだ、奏都くん……! 忘れたくない……! 」
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目の奥がズキッと痛んだ。
頭の中で、なにか大事なものが引きはがされていく音がする。
記憶が消える――本当に、消される。
彼と過ごした時間、重ねた言葉、手が触れた感触も。
りんは思わず、スマホを床に投げだした。
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「お願い、好きって思っただけなのに、」
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