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アプリのゲームは、終盤を迎えている。
すでにゲームオーバーとなったペア、ペナルティ中のペア、淡々とミッションのみをこなしていくペア。
それぞれがいた。
わたしたちは……ミッションをこなしながら、真実を探るペア。
そんなペアはきっと、わたしたちだけ。
空き教室の空気は、妙に静かだった。
放課後、教室に残っているのは、わたしと奏都くんだけ。
「これ……次のミッション、やばすぎない?」
スマホの画面に表示された文字を、りんは何度も読み返した。
《擬似告白シチュエーションを演じてみせろ》
《条件:なるべく本気で》
「ねぇ、これ“なるべく”って……なんでそんな曖昧な言い方するの……!」
「つまり“本気でやれ”ってことだろ。演技でも、本音でも」
「奏都くん……まじでそういうとこ真面目すぎて罪だよ……」
ときめき度、これ以上上がったら、本当にアウト。
でもこのミッション、どう考えても上がる未来しかない。
「じゃあ、やるか。先、どっちやる?」
りんは、一瞬悩んで、ふっと小さく呟いた。
「じゃあ……わたしからやる」
「……わかった」
教室のど真ん中。
ふたりの間に、夕陽の光が差し込む。
ただの演技。そう、これは“お芝居”。ミッションをこなすだけ――。
そう思って、口を開いた。


