恋愛禁止ダンジョン、攻略中。




その瞬間——。


《ミッション完了》の文字が、ふたりのスマホに浮かび上がった。
ほっと安堵の息をつくりん。だが、それ以上に……心臓のバクバクが止まらない。





「……終わった。10分、意外と早かったね」

「そうか?」

「そうだよ! むしろ濃すぎた! もう今日1日分の寿命使った!!」





叫びながら背もたれに倒れ込むりんを、奏都くんが横目でちらりと見る。
どこか満足げな顔で、ふっと小さく笑う。





「……くだらないことで、ちゃんと笑ってるな」

「え、何? 今のわたし、恋愛対象の理想像満たしてた?」

「さあ?」

「うわーーーーっっ!!!」





再び突っ伏すりんの背中を、奏都くんが軽く指先でつつく。





「とりあえず、次の手がかり探すんだろ?」

「……そっちに話そらさないで!!」

「いや、“ときめき度”上がる前に調査戻らないと」

「たしかにそれはそう!!!」





こうしてふたりは、再び探偵モードへと切り替える。
けれど——心のどこかで、りんは思ってしまう。


“たぶん、もうときめかない方が無理。”


アプリの正体。誰がこのゲームを仕組んだのか。そして、なぜ“恋”が罰せられるのか。


それを知るまで、自分の気持ちは誤魔化すしかない。

 

——けど、心はもう、ちゃんと騒いでいる。

 

恋も謎も、止まらない。
ふたりの調査は、まだ始まったばかりだった。