そのあとも、駄菓子屋で買ったベビーラムネを口に入れていると「子どもみたいだな」と笑われて、りんが「それはそっちでしょ!」と頬をふくらませたり、
プリクラ機の前で「いっそやってみる?」と冗談めかして言われて、りんが内心ドッキドキになったり。
そして気づけば、スマホに通知が──
《ペアのミッション:クリア!》
《現在のときめき度:68%》
「むしろ上がってるよ〜〜ペナルティ続行だよ〜〜!
次のミッションも怖いよ〜」
「俺の方が怖いけどな」
「……え?」
「あと2%」
「はっ!?……って、あと2%って何!?!?」
さらりと言う奏都くんの言葉に、驚きを隠せない。
奏都くん、今のときめき度48%!?
「で、でもさ。奏都くん、ときめき度をコントロールしてるって言ってたっけ?」
「うん。深呼吸、姿勢を正す、心拍数を意識して、意図的に“冷めた考え”に集中する。それだけで少し下がる」
「なにそれ、完全に訓練じゃん!」
「実際、訓練してる」
「……えっ?」
奏都くんは目線をそらした。
「俺、ときどき……上がるから。でも、“上がったらペナルティやゲームオーバー”ってわかってるから、抑えてる。……気づかれないように、下げてる」
りんは一瞬言葉を失って、胸がぎゅっとなった。
それは──自分にだって、似たような気持ちがあったから。
……奏都くんも、必死なんだ。
そう思った瞬間、胸の奥でなにかがじんわりと熱くなる。
わたしだけじゃないんだ。
そう思えただけで、ちょっとだけ、救われた気がした。


