「……奏都くんはさ、今、ときめき度どのくらいなの?」
ふと、気になったことを尋ねた。
奏都くんのときめき度を一度も聞いたことがない。
ときめいている様子もあまりないし……。
奏都くんは歩みを止めず、少しだけ間をあけて答えた。
「……心配すんな。俺は平気」
「えっ、平気って……?」
奏都くんは小さくため息をついてから、りんを一瞬だけ見た。
その視線は、普段よりも少しだけ——やわらかかった。
「……ちゃんと、下げてるから」
「……!」
りんの足がふと止まった。
「……え、それって……“ときめいてるけど”、コントロールしてるってこと?」
霧島くんは、顔をそらして何も言わなかった。
それが、答えだった。
「ちょ、ちょっと、それ……それズルくない!?こっちは必死で深呼吸して、壁のしみ数えて耐えてるのにー!」
「俺だって必死だよ。……これが、”俺の秘密“な」
「……え?」
ぼそりとこぼされたその言葉に、りんの心臓は——また跳ねた。
《ときめき度+5%》
「やっっっば……また……!!」
「……ごめん。今のはミスった」
霧島くんはぼそりとつぶやき、顔を背けた。
りんは真っ赤になって、その場にうずくまった。
りんの心臓は、もはや“ゲーム”じゃ追いつかないくらいに暴れていた。
奏都くんの言葉が、ずっと胸の奥に響いてる——“ときめいてる”って、こういうことなんだって。


