*
*
*
朝。目覚ましよりも先に、どんよりした気分で目が覚めた。
「……はぁあ〜……」
カーテンを開けると、今日に限ってやたらと空が晴れている。
こんなにスッキリした空の下で、“失格者”が登校していいのか……?
制服の胸元に、ピンク色でド派手な「恋愛禁止バッジ」をつける。
しかも、文字が無駄にポップ体。
\恋愛感情、要注意!/
ふざけてんの……?
今日から「禁恋日誌」も入力しなければならない。
りんは再び、大きなため息をついた。
通学路。
道ゆく同級生が、すれ違いざまにヒソヒソ。
「え、あれって星川さんじゃない?」
「ああ! 昨日失格した子?」
「バッジかわいいけど、ダサすぎてヤバ……」
……わたしだって!好きで失格したわけじゃないし!
心の中で全力反論しながら、なんとか校門をくぐる。
すると──
「りんっ!!」
後ろから、全力疾走してきたのは明日香だった。
「え、ちょっ、びっくりした……!」
「ごめん、どうしても確認したくて!!」
息を切らせながら、明日香の目線はわたしの胸元へ直行。
「本当に……恋愛禁止バッジ、つけてるぅぅぅー!!!」
「う、うるさいっ!!声でかいっ!!」
「昨日のアプリ内掲示板見て、びっくりしたよ!」
「……っ、ち、ちがっ、ちがうよ!!これはあくまでアプリの不具合というか、事故というか!!!」
「はいはいはい、恋の事故ね〜〜〜〜〜〜〜♡」
「ぎゃーーー言わないでーー!!」
明日香は笑い転げてるけど、わたしはマジで瀕死。
だって──
……あのとき、「りん」って呼ばれた瞬間。
心臓が、ほんとに、ひと跳ねしたんだもん。
冗談とか、ノリとか、バグとか。
いくら言い訳しても──あの感覚だけは、消せなかった。
*
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朝。目覚ましよりも先に、どんよりした気分で目が覚めた。
「……はぁあ〜……」
カーテンを開けると、今日に限ってやたらと空が晴れている。
こんなにスッキリした空の下で、“失格者”が登校していいのか……?
制服の胸元に、ピンク色でド派手な「恋愛禁止バッジ」をつける。
しかも、文字が無駄にポップ体。
\恋愛感情、要注意!/
ふざけてんの……?
今日から「禁恋日誌」も入力しなければならない。
りんは再び、大きなため息をついた。
通学路。
道ゆく同級生が、すれ違いざまにヒソヒソ。
「え、あれって星川さんじゃない?」
「ああ! 昨日失格した子?」
「バッジかわいいけど、ダサすぎてヤバ……」
……わたしだって!好きで失格したわけじゃないし!
心の中で全力反論しながら、なんとか校門をくぐる。
すると──
「りんっ!!」
後ろから、全力疾走してきたのは明日香だった。
「え、ちょっ、びっくりした……!」
「ごめん、どうしても確認したくて!!」
息を切らせながら、明日香の目線はわたしの胸元へ直行。
「本当に……恋愛禁止バッジ、つけてるぅぅぅー!!!」
「う、うるさいっ!!声でかいっ!!」
「昨日のアプリ内掲示板見て、びっくりしたよ!」
「……っ、ち、ちがっ、ちがうよ!!これはあくまでアプリの不具合というか、事故というか!!!」
「はいはいはい、恋の事故ね〜〜〜〜〜〜〜♡」
「ぎゃーーー言わないでーー!!」
明日香は笑い転げてるけど、わたしはマジで瀕死。
だって──
……あのとき、「りん」って呼ばれた瞬間。
心臓が、ほんとに、ひと跳ねしたんだもん。
冗談とか、ノリとか、バグとか。
いくら言い訳しても──あの感覚だけは、消せなかった。



