恋愛禁止ダンジョン、攻略中。




すると、いつもの“ピロリン”通知が、りんの心に冷や汗を流す。


———

《ミッション⑤:下の名前で呼べ♡》
※本日以降ずっと!名字で読んだ場合、ときめき度+5%

———



「しょ、初級ミッションきたぁああ!これは勝てる!!」





──と思ったのも束の間。

え……“奏都くん”って、呼ぶ……?あのクール爆撃男子を……!?



教室へ戻ると、霧島くんはいつも通り、本を読んでいる。





「……えっと、あの、さ……か、か……」

「……なに?」

言えない!!!ムリ!!ムリィ!!





あっという間に放課後になってしまった。
1回も下の名前で呼べていない。


自然な流れで「奏都くん!」って言うべきだった。
1回意識して詰まってしまうと、ずっと意識してしまう。
名前を呼べないまま今日が終わってしまう。


しかも、今日からずっと“名字禁止”!? ミスったら+5%って、もはや地雷じゃん!!

ときめき度、今45%。
ってことは、一回ミスったら……!

50%……越える……!?
わたし……晒される!?


帰り支度をしている霧島くんのところへおそるおそる行き、声をかけた。





「あ、あのさ!……一緒に帰らない?」





やばい……変じゃなかった!?
急すぎ!? うざがられた!?




「……いいよ」