教室へ戻った瞬間。
同時にどこかから帰ってきた霧島くんが登場。
ちょっとだけ寝ぐせ、でもそれすら整って見えるという謎のイケメン補正。
「……おはよ」
「……ひょっ」
なに!?その低音ボイスの破壊力!?!?
《ときめき度+1%》
《現在のときめき度:43%》
理科室での一幕。
霧島くんが、無言で消しゴムをりんに差し出す。
……ただ、それだけなのに。
うわっ、指先……ちょっとふれ……。
《ときめき度+1%》
《現在のときめき度:44%》
昼休みの廊下。
廊下ですれ違った瞬間、目が合う。
霧島くんは、ほんの一瞬だけ「ん」とうなずいて、そのまま去っていった。
“ん”だけ!? それだけで心拍爆上がりなんだけど!?
《ときめき度+1%》
《現在のときめき度:45%》
「ひいぃぃぃい!!やばいって!!やばいって!!!」
お昼休み。
りんは再び明日香をトイレに引き連れ、うずくまる。
「ねえこれどうすんの!?ときめき止められないんだけど!?このままじゃ、わたし“恋愛禁止バッジ”つけることに……!それ、絶対イヤあああ!!」
明日香にすがりつくように言うと、ガチトーンでこう返された。
「……あとはもう、相手の前で深呼吸しながら心拍数コントロールするしかなくない?」
「それ恋じゃなくてスポーツなんよ!心拍コントロールってもう陸上部やん!!」
っていうか、恋って、もっとキラキラしてるやつじゃないの!?
こんな“罰ゲームつき爆弾”みたいなものじゃなくない!?
……そう思いたいのに。
気づけばまた、目で追ってるんだよな。霧島くんのこと。


