恋愛禁止ダンジョン、攻略中。




しばらくして霧島くんがアイスを食べ終わったころ、体温を測った。





「……ちょっと下がってるっぽい。ほら、ちゃんと水分とってね」





霧島くんは黙って、渡されたペットボトルのふたを開けた。

ほんの少し目を伏せたまま「……悪い」とだけつぶやく。


少しだけ沈黙が流れる。
その中で、彼が机の引き出しをカタンと開ける音がした。





「……これ」





少し目をそらしながら、机の端にそっと置くように彼が渡してきたのは——
可愛いくまのイラストが入った小さなメモ帳──の、切り取られた1ページ。





「え、なにこれ……って、え!?かわっ、かわいすぎん!?なに!?霧島くん、こ、こんなん持ってんの!?!?」

「姉ちゃんのやつ。俺が選んだんじゃない。」





りんが爆笑してる間に、霧島くんはそっぽを向いて布団に潜り込む。


でも、そのメモを見て、笑いが止まった。
そこには、ボールペンで無骨な字で、こう書かれていた。



『こーゆーの、好きそうだったから。
渡しとく。』



──たった、それだけ。