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「うっわ、なんで今日に限って……!」
アプリの通知画面をにらみつけながら、
りんは思いっきり教室の机に突っ伏した。
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《ミッション④:ペアに“好きなもの”をプレゼントせよ!
※パートナーにプレゼントを渡すだけでいいが、「ちゃんと喜ばれること」が条件》
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「このタイミングでプレゼント!?……えっ、霧島くんいないけど!?!?ミッション、どうするの!?」
今日に限って、霧島くんはお休み。
体調を崩してしまったらしい。
焦ってスマホをポチポチしても、ミッション変更は不可。
「ううう……もしかして……お見舞いに行けばセーフ……?」
そう呟くと、隣の席の親友、明日香がニヤリと笑う。
「行けばいいじゃん、お見舞い。プレゼント渡せるし」
「いやいやいや!いきなり家に行くとか、どう考えてもラブコメ展開じゃん!?ってか、ハードル高すぎっ!」
「じゃあ逆に言うけど、行かないでミッション失敗したら、ときめき度+10%だよ? ゲームオーバーまっしぐらじゃん?」
「ううう……」
たしかに、明日香の言うとおり。
つまり、どんどん自滅する未来が見えてくる──
逃げ道は、もうない。
行くしか……ないの!?


