それからしばらくして、ミッションの結果が発表された。
《ミッション③:成功!》
【星川りん → 霧島奏都】回答:いちごタルト(正解)
【霧島奏都 → 星川りん】回答:コロッケパン(正解)
「おおっ……当たってる!?」
りんは思わず声を上げる。
霧島くんは、少し目を丸くし「なんでわかったの?」と聞いてきた。
「前に、購買でいちごタルトに手を伸ばしてやめてたのを、思い出したの」
「……なんか、恥ずかしい」
少しだけ眉尻を下げて、視線を横に逸らす霧島くん。
はじめて見る仕草で、胸の奥がほんのりざわついた。
ピピッ。
《ときめき度+5%》
「やばいやばいやばいやばい!!!!」
りんは即、机に伏せた。
「……風邪?」
「ちがう!冷やしてるの!!心の動揺を!!」
わたしってば、チョロすぎ! この調子じゃ、あっという間に50%にいっちゃうよ……。
「……逆に、なんでわたしの好きな食べ物、コロッケパンってわかったの?」
「だって、いつも教室で食べてるじゃん。みんなが恋愛話で盛り上がってるとき、1人でモクモクと」
「た、たしかに……よく見てるね」
見られてたと思うと、わたしも急に恥ずかしくなる。
どんどん、お互いのことを知っていく。
近づいていく距離が、こわいようで、うれしい。
……わたし、ちゃんと乗り越えられるの!?


